ソーシャルメディア時代の住民ディレクター

2010年5月6日木曜日 Ryoichi MURASHIMA 0 Comments

インターネットを活用したソーシャルメディアが全盛となる時代、知的活動を行う人々には、これまでとは違った能力が求められる社会が到来しようとしている。以前より、私は、テレビ番組制作のプロセス(企画、制作、取材など)を通じて、自分が暮らす地域のすばらしさや課題などを発見し、そのことを映像コンテンツで表現、共有する「住民ディレクター」と呼ばれる活動に興味を持っていたが、ひょんなことから、住民ディレクター活動の生みの親でもあるprismの岸本氏と、ソーシャルメディアを活用した番組制作を実践するプロジェクトを行う機会を得ることになった。


住民ディレクターが生活の一部として用いるビデオカメラと、そこの収められた映像は、まさしくソーシャルメディアであり、住民視点での映像コンテンツによる市民ジャーナリズムのさきがけであったと思う。しかし、岸本さんが、住民ディレクター活動を始められた当時は、今日のようにインターネットが一般に普及していなかったこともあり、ソーシャルメディアとしてのビデオ映像が影響を及ぼす範囲は、基本的に自分の住む町や村といった狭いコミュニティであった。しかしながら、この住民ディレクターの活動とその理念は、岸本さんの人脈やご尽力により、ケーブルTVや全国規模のイベント等を媒体として、次第に全国に広まっていく。その意味で、岸本さんは全国各地の住民ディレクター活動のハブ的な存在であり、岸本さんを中心に、全国の住民ディレクター(の組織)が放射状につながっていくスター型のネットワークを構成しているのである。

さて、世の中はブロードバンド時代を経て、インターネットによるソーシャルメディア全盛時代を迎えつつある。住民ディレクターは、YouTubeやUstreamなどを使って、自ら、コンテンツを発信できるだけでなく、ブログやTwitterを活用することで、その背景にあるコンテクストさえも、それを伝えたい相手に効率良く伝えることが可能になった。

また、クラウド上の様々なネットサービスを利用して、全国で活躍する住民ディレクターが相互に連携し協働する形態での番組制作が実現すれば、これまでにないスケールでの映像コンテンツを制作できるはずだ。

今回の、ソーシャルメディアを活用した番組制作を実践するプロジェクトは、まさにこの点を検証するための実践の場であり、全国の住民ディレクターが相互に連携するメッシュ型のネットワークがうまく機能するかどうかを実際に試行するための絶好の機会となった。

(続く)

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