YouTubeとDMCA

2006年11月27日月曜日 Ryoichi MURASHIMA 0 Comments

ずいぶんとひさしぶりの日記更新。いちおう元気でやっています。 :-)
先週、九州電子自治体戦略会議(http://www.city.aso.kumamoto.jp/denshi/) というイベントで、東大の坂村先生の講演を聞いた。ご存じTRONの産みの親で、ユビキタスコンピューティングの第一人者である。タイトルは『ユビキタス 社会の到来』(仮題)ということだったが、ユビキタスな話にいく前がかなり長かった。まぁ、それはそれで結構面白かったんだけど、その中で、なぜ日本では YouTubeのような革新的なサービスが生まれないのか、とう話になった。
インターネットの世界も含め、日本は要素技術に関しては世界のトップレベルを走っているが、インフラに関してはまったくダメなんだそうである。 この場合のインフラというのは、制度面も含めた社会基盤自体を指しており、ブロードバンドが普及したからといって、インフラが整備された、ということには ならない。
例えば YouTube。技術的には大したことないんだけど、あんなに人気と話題性をさらったのは、著作権的にヤバい動画コンテンツが山ほど登録されているからで ある。日本だったらまず許されないものがなぜ北米ではOKなのか。それは、2000年に施行されたDMCA(デジタルミレニアム著作権法)と呼ばれるアメ リカ合衆国の著作権法のおかげなのだ。具体的には、「オンラインで著作権侵害行為が発生したときに当該コンテンツを削除すればプロバイダは免責される」と いう規定である。このセーフハーバーにしたがい、YouTubeは、毎日何万何千という著作権的にヤバいコンテンツの削除を行っているが、同様に毎日、毎 日何万何千という著作権的にヤバいコンテンツがアップロードされる。:-)
こういった、いわゆるベストエフォートな考え方というのは、英米法のようなコモンローな国では受け入れられやすいが、日本やドイツなどの大陸法的な国ではなかなか根付かないという。
しかし、これからのネット社会で成功するためには重要な考え方で、日本においても制度的なイノベーションが必要だという話だった。
10年前と比べれば、確かにボーダレスな社会になってきたと思うけど、こういう歴史的、文化的な垣根は、なかなか乗り越えるのが難しいのかなと思う。そうこうしているうちに、そういうしがらみのない近隣諸国からもどんどん追い越されていくんじゃないのか、と思ったりする。

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